将棋駒はなぜここまで価値に差があるのか?

将棋駒はなぜここまで価値に差があるのか?

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モノテラス編集部

将棋盤の種類は多岐にわたり、どこでも使えるコンパクトで安価なものから、打音や匂いにまでこだわりぬいて作られ工芸品の域に達するものまで様々なものがあります。

それにともなって価格帯も大きく変わり、安価なものは千円程で買えるのに対して、最高級品となると数百万円にまで及ぶものもあります。

ではどのような要素がその価格帯を決めるのかを見ていきましょう。

 

材質による違い

将棋盤には、大きく分けて木材で作られたものとそれ以外のものがあります。
それ以外のものとは、主にゴム、プラスチックなどから作られた普及品のことを指します。

これらの工業材料で作られたものは軽くて持ち運びやすく、また安価で気軽に購入しやすいため、子供や初心者、出先で楽しみたい人など様々なニーズにこたえています。

中にはマグネット製のものや布製のものなどもあり、その多様性はますます広がりを見せています。
木材で作られたものはそれらに比べより高級になります。使われる木材は国産から外国産まで、様々な種類があります。

具体的には本カヤ、新カヤ、栗、桑、桜、ヒノキ、杉などがあり、木の個性はそのまま盤の個性となります。

特に高級木材としてよく見るのは本カヤでしょう。カヤは国産のイチイ科の木で、油分の多い気質や木肌の緻密さ、木目の鮮明さなどの点が高く評価されています。

ちなみに、本カヤと新カヤは似た名称ですが実はまったくの別物です。

新カヤは別名スプルースとも呼ばれ、外国産のマツ科の木なので選ぶ際はきちんと区別しましょう。

 

形状による違い

将棋盤の形状には二種類のものがありますが、簡単に言うと足がついているかいないかの違いです。
足がついていないものは卓上盤と呼ばれ、テーブルの上に置くなどして使用します。
家に畳がなかったり、椅子に座って将棋をさしたいという方に特に需要があります。

中には中央が蝶番で止められており折りたたんで持ち運ぶことができたりと、気軽に遊べるタイプのものも多い反面、全体的に作りが小ぶりであるとともに、足がついているものに比べて打ち味が劣るというデメリットもあります。
足がついているものは足付盤とよばれ、床に置いて使用します。

プロのタイトル戦などで使われるのはこのタイプであり、本格的な将棋を楽しめます。

卓上盤に比べて盤に厚みがあるため打ち味がよくなりますが、厚く加工するのが難しいという木の特性上、値段が格段に高くなるという傾向があります。

 

将棋盤の安物と高級品の違い

値段も幅広い将棋盤ですが、もちろん価格帯によってその特徴も大きく変わります。将棋盤の良し悪しは、具体的に打ち味、木目、打音、色合いの経年変化、香り、耐久性などで評価されますが、これらの違いはやはり木の特性や形状によって左右されます。木材の違いで言うと、例えば先程紹介した高級な木材、本カヤの油分の多い性質は盤のすぐれた耐久性につながりますし、木目の鮮明さは盤の美しさを生みます。また、音の違いや耐久性は木質のほかにも足付盤であることが大いに関係します。足付盤の盤裏中央にはへこみがあり、このへこみは耐久性を維持するとともに音の響きを良くすると言われています。
卓上盤、足付盤ともに厚さは数段階あり厚みがあるほど高価になりますが、これに関しては高ければ高いほど良いというものでもありません。高すぎると将棋をさす際に負担になるため、自分にあった高さであることがベストです。

 

高級な駒の特徴とは

駒は将棋盤に比べて小ぶりですし、付属品という印象からあまり値段の張らないイメージを持つ方もいるかもしれません。もちろん手頃な値段で購入できるものも多く普及していますが、中には数十万円、数百万円もの値がつけられているものもあります。なぜそのような値段になるのか、駒の価格を決める要素について詳しく見ていきましょう。

#材質の違い
駒を決めるひとつのポイントは材質です。安価で多く普及しているものはプラスチック製や、椿など手に入りやすい木材です。逆に最高級として使われているものは黄楊(つげ)と呼ばれる国産の木です。つげ櫛でよく知られる黄楊ですが、適度に油分を含み木目が緻密なため、しなやかで割れにくいという特徴を持ちます。その木質の良さが好まれていますが、成長が遅いため高級木材として扱われています。
また、木目の美しさや珍しさも価格に大いに影響します。すべての駒を同じ木目に揃える必要があるため、珍しい木目は高価格になります。

#書体の違い
文字の入れ方にはいくつか方法があります。例えば駒に文字をスタンプしたり印刷する方法、また機械によって文字を彫り入れる方法は大量生産ができるので安価になりやすいです。
職人の手によるものとしては表面に直接字を描き込む書き駒、彫った後を漆で平らに埋める彫り埋め駒などがあり、なかでも盛り上げ駒は最上級となっており、これは彫り埋め駒の上からさらに漆を塗り重ねて文字に立体感を持たせる技法です。
このような技術面のほかにも、職人がもつブランド性などによって価格があがる場合が多々あります。


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