壮麗なポーセリン・プラーク【陶板画情報満載】

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モノテラス編集部

今回ご紹介するのは、豪華な肖像画や風景画で装飾された陶磁器製品であるポーセリン・プラーク(陶板画)についてです。

19世紀の中頃から、ドイツのベルリンではさまざまな窯元によって陶器製品が製造されてきました。

1840年頃にポーセリン・プラークのような絵画的磁器製品の人気はピークに達します。

当時は工房に属さないで単独で仕事を行う磁器・ファイアンス・ガラスの絵師が存在しました。

彼らをハウスマーラー(Hausmaler)と呼ぶのですが、現代でいうフリーで仕事を請け負う絵師さんのことです。

ハウスマーラーたちが長方形のブランク(空白の陶器製版)に古い名作の複製を描き、金箔を貼った額で贅沢に額装した逸品を作りだしたのです。

 

陶板画の特徴

「有名な絵画の陶板画なんて所謂コピー品みたいなものなのでは?」

と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、侮るなかれ

陶板画は絵画(油絵)や壁画とは異なり、色調の経年劣化が少ないことが特徴で、維持管理も容易なんです。

陶板に絵付けと焼成を繰り返すことにより色褪せしにくくなるので、できあがったポーセリンプラークは屋外に展示したりもできますし、直接手で作品に触れることも可能です。

 

したがって焼成後の発色を考慮した絵付けをする必要があり、高度な技術が必要になってくるわけです

 

また、名画を再現する際には、まず原画から色の分解を行い、陶板に転写し、焼成します。

この作業だけでも大変な時間と集中力を要するであろうことは、お分かりいただけるかと思います。

 

実際に実物を見ていただくとより実感できると思うのですが、本物の絵画と比べても遜色なく美しいです

 

油絵ですと、どうしても時間が経てばたつほど劣化してしまいますし、メンテナンスも必要になってきますからね

お値段もさることながら、当然維持費や修繕費もかかるでしょう。

 

そういった面で陶板画は気軽にインテリアとして楽しめますし、玄関やリビングなどにももってこいです。

 

ただし、品物によってですがお値段に関しては決して安くはありませんよ

今回ご紹介するポーセリン・プラークたちは、値段は本物の絵画には及ばないまでも、歴史と価値ある芸術品としての地位を確立した逸品の品々です。

 

高額なポーセリン・プラーク(陶板画)

ベルリン王立磁器製陶所(KPM Berlin)とマイセン(Meißen)の陶板画は、非常に重宝されております。

この二つのメーカーの陶板画は、確実に高額な値段がつくと思っていただいて間違いないと思います。

 

状態の良いものですと、だいたい100,000円~1,000,000円以上の値段がつきますし、19世紀半ばの全盛期のKPM陶板画で大型の最高級のものは、6,000,000円を超える値がつきました。

また、当時人気画家であったワグナー作のKPM陶板画も、優に1,000,000円を超える値で販売されております。

有名陶磁器メーカーで、著名な画家がブランク(空白の陶器製版)に絵を描いて作られた陶板画は、大変な希少品です。

 

そもそもベルリンの製陶所は、絵画を表現した形式の磁器作品の先駆者なのです。

 

同じくドイツのフッチェンロイター(HUTSCHEN REUTHER)の陶板画もKPMベルリンやマイセンほどではありませんが、20,000円~100,000円以上の値段がつきますよ。

 

豆知識

陶板画が納められている額縁にも注目してみましょう。

材質が唐木などの高級木材で、彫刻が施された品は、額縁だけでも値段がつく場合があります。

 

陶板画の人気テーマ

現在の陶板画のテーマとして最も人気なのが、美しい女性の肖像画です。

その証として、オークションで高額落札されている陶板画たちは、どれも美しい女性を描いたものばかりです。

 

19世紀のコレクターたちには、聖書の一場面や風景を描いた陶板画が人気だったのですが、最近は動きのない人物や鈍い色彩の品はどうやらあまり望まれないようです。

 

高品質のポーセリン・プラーク

肖像画が描かれた陶板画。

その描かれている人物をよーく観察してみましょう。

顔や髪の毛の細部、肌のトーンにムラがなく胸が丹精に描かれているか、そして服や布の折り目などの描写がリアルかどうかをチェックしてみてください。

特に顔・髪・服や布の質感の描写は、微細か大雑把かを判断しやすいポイントだと思います。

こちらの画像は高品質の陶板画です。

腰に巻かれた薄布の質感に水の波紋の透かし方などが細部にわたり丁寧に描写されていますね。

陶板画を所有している方は、メーカーと描かれた絵を確かめれば、だいたいどれくらいの値打ちになるかを予想できるのではないでしょうか?

こちらは宗教画が描かれているフランスの陶板画です。

老人の白髭の描写が素晴らしいですが、もちろん絵画ではなく陶器に窯元の画家が描いたものです。

 

ベルリン以外のポーセリン・プラーク

絵画が描かれたポーセリン・プラークは、オーストリアのウィーンやフランスのリモージュの窯元の作品も有名です。

流行りの絵ですとか、民話のストーリーを美化して、そのワンシーンを再現した陶板画を製造している所もありました。

イギリスでは、ロイヤルウースター(Royal Worcester)という王室御用達の最古の名窯が地元の画家を採用し、ガーデン風景のようなテーマで陶板画に絵を描かせました。

ロイヤルウースターの陶板画は100,000円近くの値がつきます。

植物や動物、風景が描かれた陶板画がどうやら多いようです。

 

陶板画の老舗ブランドまとめ

 

ドイツの陶板画メーカー

ベルリン王立磁器製陶所(KPM Berlin)

マイセン(Meißen)

フッチェンロイター(HUTSCHEN REUTHER)

イギリスの陶板画メーカー

ロイヤルウースター(Royal Worcester)

フランスの陶板画メーカー

セーブル(Sèvres)

 

いずれも各国が誇れる陶磁器メーカーですね。

陶板画だけでなく食器や人形などのほかの陶器製品でも有名ですし、中でもセーブルの食器は1,000,000円を軽く超え、この中で一番高額です。

有名な陶磁器メーカーのポーセリン・プラークでなくとも、絵柄をよくチェックして緻密な描写が確認できたならば、一度査定にだしてみる価値はあるでしょう。


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