戦前や古い絵葉書には高い価値が秘めている!?対象品や買取店をご紹介
突然ですが、こちらのページをご覧の皆様は絵葉書に価値が秘めていることを知っていましたか?
とても身近なものですが、価値があると言われてもイマイチピンとこないかもしれません。
実はある時代に販売された絵葉書は、それだけで高い価値を持つ絵葉書となり、高価買取の対象商品となるんです。
具体的にどの時代の絵葉書になるのか?
それはズバリ「戦前の絵葉書」です。
希少な戦前絵葉書は、数枚で数十万円を超える金額で取引されることも!
この年代の絵葉書は、どのようなデザインのものでも比較的高額査定になる可能性が高いのですが、貴重な歴史的資料になるというのも大きな理由のひとつのようです。
INDEX
戦前の絵葉書かどうかの見分け方
描かれた人物や風景から年代を推測
戦前といえばだいたい昭和16年ごろ(1941年)までと定義されるのが一般的です。
しかしながら、製造年や制作年がしっかりと書かれていない絵葉書も多く、そういった場合は描かれた人物や風景、または郵便はがき面をよく観察して、求めていた年代のハガキかそうでないかの判断をくだすしかありません。
といっても戦前を舞台にしたドラマや映画、漫画や小説といったエンタメや情報が溢れている今、ある程度いつごろの時代か判断はつきやすいかと思います。
とくに朝ドラをよく見る方であれば既視感があるのではないでしょうか?
それに軍服を着た中年~老年の東洋人の男性が描かれていたら、ほとんどの人は戦前だとわかってしまうのでは?
もちろん、戦前の時代があったのは日本だけではありませんから、海外のビンテージハガキも視野に入れて今回の記事を読んでいただければ幸いです。
ハガキの無地の部分(通信面)の仕切り線で年代を判別
ハガキには表と裏、宛名面と通信面といった「面」が存在します。
普段意識していないと、どっちがどっちなのかちょっと混乱してしまいますが、ハガキの裏側である無地の部分、つまり通信面の仕切り線を観察して年代を判別するという方法があります。
♦通信欄に罫線(けいせん)が無ければ明治6年(1873)〜明治40年(1910年)3月まで
♦通信欄の罫線が3分の1の場合は明治40年4月〜大正7年(1918)3月まで
♦通信欄の罫線が2分の1の場合は大正7年4月以降のもの
罫線のチェックは知識のない初心者の方でも容易に判断できるポイントかと思います。
切符と同様で、地味なレイアウトに大きなヒントが隠されているようですね。
ハガキの「文字」を要チェック
戦前のハガキは右から左へ文字を記入するのが一般的でしたので、「きかは便郵」または「きがは便郵」と書かれていれば戦前のものだと判断できます。
見慣れていないせいかなんだかものすごく読みにくいですね。
左から右へ「郵便はがき」と書かれているハガキは、もちろん戦後のものということになります。
戦前の年代の人たちから見れば、もしかしたらこちらのほうが読みにくかったりするかもしれません。
ちなみに「はかき」の「が」に濁点がついたのは昭和8年2月以降です。
ハガキの切手から年代を判断する
こちらは使用済みのハガキから得られる情報となります。
未使用のハガキには無論何も貼られてはいないからです。
明治や大正にもハガキ同様、それぞれの時代にしか発行されなかった切手が存在しており、わかりやすい見極めのポイントとなっています。
たとえば、菊切手(1899年〜1908年まで発行)という種類の、それも水色のバージョンが張られていれば、かなり初期のハガキであると判断できます。
また、全国が1銭で市内は半銭の配達料金がかかっていた期間は明治6年12月~明治32年3月までとなっておりますので、切手の額面も年代判別のヒントになってくれます。
ちなみに全国共通料金で配達されるようになったのは明治32年4月以降です。
印刷と色で年代を識別する
戦前に現代のような高度な印刷技術は存在しないので、基本絵葉書はモノクロですが、極少数カラーバージョンも存在します。
当時はコロタイプ印刷と銅版(鉛版)による写真印刷の2種類が主流であり、どちらも小川一真氏が実用化した印刷技術です。
コロタイプ印刷はガラス板にゼラチンと感光液を塗布して加熱することによって版面に生じる小じわ(レチキュレーション)を利用した印刷技術で、濃淡がはっきりしていて、かつ滑らかで網点がないのが特徴です。
反対に銅版(鉛版)による写真印刷は拡大してよく見ると網目になっているのが特徴です。
したがって、網点のないコロタイプ印刷のモノクロ絵葉書(中には色が塗ってあるタイプもあります)は1888年〜1915年くらいまでのものであると推測できますし、網点のあるモノクロ絵葉書なら1894年〜1910年くらいまでのもの、ということになります。
カラーバージョンでかつ網点があればオフセット印刷の絵葉書だと考えられますので、おそらく大正中期~昭和のものである可能性が高いです。
戦前絵葉書の需要
全国各地で毎年さまざまなイベントがよく開催されていますが、そういった場では開催地域ならではの人々の暮らし、街並み、風景、風俗が収められた写真が、昔と現代の両バージョンで展示されていたりします。
かなり前ですが、筆者なんぞも公民館で開催されたフリーマーケットのイベントで展示されていたモノクロ写真を見た覚えがありまして、今も記憶に残っております。
地域文化の特色を過去と現在とで比較するために飾られる資料は、主催者がなるべく多く手に入れたい品物となりますし、戦前の絵葉書も無論そのひとつです。
しかも古い絵葉書の中に詰まった情報は、当時の地域発展を知る上で欠かせない情報源であり、新しい事実が隠されている可能性も高いため、大学や研究所、博物館や資料館からの需要も高いのです。
戦前絵葉書のような歴史的資料になる特殊な骨董品は、一応汚れや破れなどの破損があっても、もっと言えばボロボロであっても、ハガキに印刷された内容についてどういった感じかが判断できればそれでOKのようです。
確かに出土したヒビだらけの縄文土器や埴輪なんかも、立派な歴史的遺産として大切に保管され展示されていますものね!
人はオンボロのモノを見ると瞬間的に無価値と判断しやすいですし、そのままの勢いで破棄してしまいがちです。
歴史的資料になるタイプの骨董品は、たとえ状態が悪くても値段がつく場合があるのだということを覚えておきましょう。