テレキャスターの前身、BroadcasterやEsquireについて【その価値や買取先もご紹介】

テレキャスターの前身、BroadcasterやEsquireについて【その価値や買取先もご紹介】

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モノテラス編集部

創業者、クラレンス・レオニダス・レオ・フェンダーという男

1909年にカリフォルニアで生を受けたレオ・フェンダーは幼いころから電子工学に興味が絶えず、独学でラジオや電気製品の修理や改造を楽しんでいました。

カレッジでは会計と経営を学び、卒業後は会計士としての職務に就きます。

が、間もなく会社側の事情で退職。

 

退職まもなく起業

そこで、妻と共にフラートンで小さな工房を開きます。

ここではラジオやオーディオなどの修理のほかに、顧客からの要望で楽器用アンプの改良やPAシステムの提供を生業としていました。

特にレオ・フェンダーの作るPAシステムは画期的で、その評判を聞きつけたミュージシャンがフェンダーのお店に訪れるようになりました。

その中で、エレクトリックハワイアンやラップスチールギターの演奏者から既存のピックアップの性能に不満の声が上がっていることに注目したレオ・フェンダーは、独自のピックアップとアンプの開発に乗り出しました。

実験的なソリッドギターが完成し、試しにそれをカントリーやウェスタンバンドに貸し出したところ大好評でした。
そこでソリッドギターの量産を乗り出す為にリッケンバッカーの従業員だったドック・カウフマンを引き抜き、K&F社を興じました。

ただ、カウフマンはリッケンバッカーに在籍時、ギター事業の業績が思わしくなかった経験から、K&F社のギター量産の計画には否定的で、最終的に同社を去る決断をしました。

レオ・フェンダーの決心は揺らぐことなく、社名をFender Electric Instrument Companyに変更して、ギターメーカーとしての歴史をスタートしました。

Fenderギターの記念すべき一台目は1946年に友人のオーダーで作ったラップスチールギターでした。

Fenderユーザーならおなじみの大きな”F”が入ったロゴはここが起源となっています。

 

ジョージ・フラートンとの出会い

1948年、エンジニアのジョージ・フラートンをFender社に迎え入れ、ギターやアンプのデザインをレオと共に考案するようになります。

このタッグは創成期のフェンダーの成長に大きな影響を与えました。

 

全く新しいソリッドエレキギター

1940年代が終わりを迎えようとしていたころ、フェンダー社はまだ世に出回っていない新しいソリッドギターの量産を計画していました。

試作機はFender Broadcasterという名が与えられ、2号機が完成したことで量産を開始。

1950年代に入り、正式な製品として発売されたのが「Fender Esquire」でした。

シングルピックアップ仕様でボディはテレキャスターと瓜二つです。

それもそのはずで、Esquireはテレキャスの前身となるモデルでした。

今でこそ定番になっていますが、当時はあまり売れ行きはよくなかったようです。

そこで、フロントにピックアップを追加した新しいギター「Broadcaster」を投入します。
ところがこちらはグレッチ社がすでに商標登録を行っていた為、対策が迫られました。
そこでヘッドからBroadcasterのデカールを張らないことで問題を解決。

現在ではこの時期の個体をノーキャスターと呼び、コレクターが血眼になって探す超レアギターとなっています。

 

テレキャスターの誕生

その後、Broadcasterから別の名に変更を迫られていたフェンダーは「Telecaster」と名付けます。

これは当時、テレビが普及し始めていた背景からこの名が決まったと云われています。

Telecasterがライナップに追加されると、Esquireは下位モデルという位置づけで再販されたものの、1969年に販売台数の低下を理由に生産を中止となりました。

大量生産の仕組みを整備し、職人を必要としないギター作りの環境を実現したというのもレオ・フェンダーが天才と呼ばれる所以でもあります。

 

ヴィンテージギターとして高騰中

上記に登場したギターですが、今ではいずれもヴィンテージとして扱われています。

具体的な相場は下記の通り。年代や状態によっては大きく変動する場合があるので目安としてご参考ください!

Esquireの相場

200~400万円代

Broadcasterの相場

200~800万円

No-Casterの相場

800~1300万円

※上記は2020年3月時点での中古相場となっています。

 

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